月曜日。今日はリサイクルごみを出す日だ。
とは言っても、うちの地域では、まだ「PETボトル回収」はやっていない。が、
ビン・缶・新聞紙・雑誌・ダンボールを出す曜日である。
実はだいぶ前から、チョット困る業者が居て
母や角のオバサン、隣のオニイチャン、お向かいのご夫婦などなどが相談して
リサイクルごみを出すタイムリーな時間を見計らっている。
どんな困る業者か。だいたい経験のある方々は想像がつくだろうが
荷物入れの箱を後ろに積んで、自転車で来ては
古紙とか本類を持ち帰って、自分の利益にしている人である。
「東京都の清掃局の関係者に渡すもので、個人の利益の為ではないのでご遠慮ください」
ということを、じかにその人にも注意しているらしいが、
ほとぼりが冷めると、またやってくるのである。
「あんたの儲けのために出してるんじゃねえ~! みんなのトイレットペーパーにするんだ~!」
てな勢いで注意をするらしいのに、である。
今日、ほんとにほんとにほんとに思い切って
私が初めて両親から買ってもらった絵本4冊を出す事にした。
「わたしのはじめてのほん」っていう題名のシリーズで、
「かがくのほん」「あいうえお」「むかしばなし」など
さまざまなジャンルの本があって、うる覚えだが12冊くらいあったと思う。
そのうちの7冊か8冊は、母の従妹の娘にずっと昔にあげてしまった。
私がずっと大事にもっていたのは
「かがくのほん」「あいうえお」「むかしばなし」とべつのシリーズの「こねずみちょろちょろ」
だった。
特に「あいうえお」は、中が詩とか俳句みたいなリズムになっていて
挿絵が「いわさきちひろ」さんだった。
せめてコピーとか写メをしておけばよかったと今はかなり後悔の涙であるが
実はそれらの本を、くだんの業者は物色していたのだった!
それ以外に、山本周五郎と司馬遼太郎の文庫本を30冊くらい、これも泣く泣く処分したのだが
これは自分で買ったものだからそんなにショックではなかった。
両親が私のために買ってくれたものを捨てたのだ。
でも、でもでも、絶対に「どんな本だった?」ときかれても思い出せる自信はあるし
・・・などと言い訳なんかしてみたりして。
いつもならば、とっても迷惑なその業者が
今日ばかりは、拾ってくれてすごく嬉しかった。
すくなくとも、リサイクル紙になる時期が遅くなるような気がするからである。
うまくいけば、誰かが二束三文で買ってくれるかもしれない。
値段なんてどうでもいい、ほんとなら、貰ってくれる人がいるならタダでも良いのだから。
もう見ることがなくても、誰かさん家の本箱に並べられてることを想像するだけで嬉しくなるし。