友人からオーダーを貰いました。
でも聞くところによると、「明日誕生日なの」とのこと。
だからそれをオーダーではなく、プレゼントにしようと思いました。
誕生日と聞いたのが突然だったので、すぐにはできませんでした。
できるだけ3月中にと思って頑張りました。そして最初に聞いていたサイズの銀枠ができたので
念のため確認しました。
「横が1.5で縦が2.0くらいのドロップでいいのよね?」と。
そうしたらなんと!!
見かけが派手だから、装飾品はこじんまりとしたものをつけたいと。
「横が1.0くらいで縦が1.5がいい!」とのことでした。
・・・・・・完璧に間に合わない。 いいやこの銀枠は私が工夫して自分のネックレスでも作ろう。
私が使うことになった銀枠には、手作りのチェーン通しの輪もテクスチャーをつけて入れました。
それがこれです。皮紐をつけたチョーカーにしました。
もともとこれは、あくまでも「枠」だったので、中にUV樹脂を盛りつけようと思って作ったデザインです。
底部が広く、上部が狭くしてあります。
カボッションカットの石を石留めしてつけた雰囲気にするためです。
枠のアウトラインにもテクスチャーをつけて、凸凹にしてあります。紐通しの輪も銀で作り
凸凹にカットして磨いてあります。
彼からのリクエストは
「青が好きだから青を中心に。
白や緑もいれて欲しいけれど、難しいかしら?」
とのことでした。
そしてこのようにいろんな色を混ぜて
完成させました。
完成したのがこちらです。
本当に、申し訳程度にチャームがついている
黒のチューブ状の紐がついたチョーカーです。
つけているのを見るまでは
こんなに小さくてよいのだろうか
とても不安でした。
でも、つけているのを見たら
あまりに似合っているので驚きました。
「ほらね、言ったとおりでしょ?評判も良いんだから~」と言ってもらえてすごく嬉しかったです。
青の色、と言っても、一つの色でもとても種類が多いので気に入ってくれるかどうか心配でした。
白い部分も出さなくてはならない、緑もそして青も。。それでは海の中みたいでいいかな?
試行錯誤して生まれた色がこちらです。
私のスタイルとして、上下左右のシンメトリーには魅力を感じないのでというのを貫き
それを承知でオーダーくれているので、安心して枠は作りました。
枠もフラットな鏡面仕上げでは面白くないし貧弱に見えると思ったので
凹凸をつけて、いぶしたときに黒ずみがきちんと残るように仕上げました。
UVの盛り付けは底辺に白をぼかして、その上から何層も重ねて青や緑のグラデーションを。
重ねるたびに硬化させたり、硬化寸前で混色してマーブル風にしたり、
その上からまた透明に近い青を盛り付けたりしながら仕上げた結果です。
「思ったとおりの色でびっくりした!」と言われた時、最高のほめ言葉だと思いました。
最近のオーダーは、クライアントの意向をできるだけ忠実に反映させる、というものばかりでした。
自分にできるだろうか、気に入ってもらえるかと思うオーダーも、思い切って受けると
かなり勉強になり、ますます創作への意欲も増すし、真剣に取り組む気持ちも増してきます。
ちなみに、最初に聞いたサイズと、完成したサイズとの対比をアップします。
こんなにチャームの部分の大きさが違うんですね。
実際につけているのを見たけれど、良い感じに目立っていました。