一般的に前世から生まれ変わる時には、
おなじ体系の生物に生まれ変わるらしいけれど
たまには間違ってしまうこともあるんじゃないだろうか。
うちのマタムネ。
この少年、昔は人間だったんじゃないかなと真剣に最近考える。
思えば、今年の6月の5日だったか6日だったか、最初に連れてきた時
掌にのるほどの小ささで、生まれて4週間目だった。
小さなケージに入れ、内部に板を段違いで2段つけた。
低いほうの板にジャンプして載るのが難しかろうと思って
爪とぎ用の板をスロープにして、低いほうの板に続くように配置した。
最初は、コロコロとつまずいたり転んだりしながらだったけれど、
ものの10分もしないうちに、なんと、すぐに上まで登ってしまった。
猫って、そんなものなんだ、ライヤはもっと大きくなってから連れてきたので、
全然そういう成長過程を知らなかった。
でも、表情豊かで、叱られるとわかるみたい。そういうところは犬と似ている。
また、トイレをしたあと、砂をかけるんだけれど、その後、なんと
トイレの縁などで、 「手を拭く」のである。
そんな猫は今まで見たことが無かったので、面白いと思ったし、
最初は、まぐれとか、たまたま遊びでやっているのだと思った。
ところが。毎回毎回やるのである。
またあるときは、水のみボールの中の水に手を突っ込んで、
手を洗っている。
おとといのこと、私は見ていなかったのだが、
母とちびちびKがあまりにもびっくりして顔を見合わせてしまった事があった。
ケージの中の板を「水拭き」しているのだという。
どのようにしているのかというと、水のみボールの中に手を突っ込んで、
その濡れた手の肉球の部分で、板をせっせと磨いているのだという。
母は私にその証拠たるものを指差して見せた。
「ほら、こっちの板とこっちの板、どっちが綺麗に見える?」
片方は、手垢がついた感じの、使用感のある板だったが、もう片方は、
液体洗剤をスプレーして布で拭いたかのように、ものすごく綺麗なのである。
もちろん、この2枚の板は、どちらも同じもので、同時に設置し、
ケージの中は「飼育係」が毎朝、ほうきを使って掃除をしているが、誰も板など拭こうという頭はなかった。
「別に拭く必要がないんじゃない?」と誰しも思っていたと思う。
それを。 せっせと水拭きをしているというではないか。
その現場を二人は見てびっくりし、顔を見合わせたそうだ。
あきらかにマタムネが拭いたほうが綺麗である。まるで芸を教えたチンパンジーのようだ。
また、距離はそれほどでもないが、「サージャントジャンプ」と「クライミング」にものすごく長けていて、
リビングダイニングに入る格子のついたガラス戸は、格子の部分を利用して
天井近くまで登ってしまう。
また、父が寝ている部屋の電灯の紐に、寝ながらでも電灯を消すことが出来るように
長い紐をくっつけて、先っぽに小さなぬいぐるみをくっつけているのだが、
それを利用して、そこを持って電灯を消そうとする。
最初は何度やってもできなかった。どうしても届かなかった。
ところが。
キッチンのほうから直線でダッシュし、その勢いで父のベッドに乗っかり、
その次の瞬間、くるりとターンしたかと思うとジャンプして紐にぶら下がり、
電灯を消すという技を自分で習得した。
誰も教えていない。
それを何度も何度も学習している。よほど気に入ったワークだったのだろう。
彼の運動能力は底知れない。
(ライヤは、その場ジャンプはあまり得意ではないが、自分のケージの上に乗っかり、
ちびKのベッドまで、ジャンプして載るのだけれど、距離にして3メートル位。ちびKに言わせると
飛んでいる最中の滞空時間が長く、フォームがめちゃくちゃ綺麗だとのこと。私もそう思う。)
このコは、一体何者なんだろう。
マタムネの話はまだ続く。。。
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